発信!発振!発進!

  表導会から、表装に関する情報やコラムを不定期でお届けいたします

 

インターネットは伝統工芸を未来につなぐ掛け橋

清水達也が「よーし」の紙の達人に登場!

シンガポールで襖張替えに初挑戦

「趣味ということ」!

日経新聞に掲載


インターネットは伝統工芸を未来につなぐ掛け橋

表導会では、伝統工芸を日本の中だけに留めることなく、インターネットを通じて世界に発信しています

今後も可能性を秘めたインターネットをどう活用していくかが課題となる気がします

よくある言葉でアナログとデジタルの融合という言葉がありますが、表装の業界も例外ではなく
常に伝統を継承しつつ新しい物を発信していかなくてはいけないと考えております

 

清水達也が「よーし」の"紙の達人"に登場!

清水達也が「よーし」の"紙の達人"に登場!

日本紙共販株式会社洋紙営業本部発行「よーしVol.30」(発行日:2002年9月5日)の「紙の達人」に清水達也が掲載されました。
注:2003年4月1日、日本紙共販は、日本製紙・大昭和製紙と合併し、『日本製紙』 になりました。

詳細はこちら

 

「紙の達人-表装指導」(よーしVol.30掲載インタビュー記事)の抜粋

 

 「伝統的」な表装では、裏打ちを3~4回行い、その度に自然乾燥させるので、仕上げまでに数ヶ月かかります。
来月に展覧会があるからと頼まれても間に合 わない。そのため、場合によっては、お客さんに了解していただいたうえで
化学糊やアイロン、プレス機を使って表装を行うことになります。昔ながらの手間 をかければ、それなりの金額がかかります。
お客さんは100年もたなくてもいいから安く仕上げて欲しいといいますからね。いまでは美術品として価値のある 書画だけに
伝統的な表装を行うようになってきました。

伝統文化は、需要がなくなると消えていくもの。そこで、仕事ではなく、趣味としてでも表装の文化を受け継いでもらおうと
表装の教室を開くようになったのです。

  「習いに来る人の目的は、自作の書を表装したい、孫の手形を額装したい、家にある掛軸を仕立て直したいなどさまざまです。
何百年も続いてきた技術というのは、実に理に適ったもので、それぞれの工程に必然性があり、ひとつ省くだけでうまく仕上がりません。

和紙としょうふ糊を使う表装は、何度でもやり直しがききます。せつかちな人は糊づけした紙を真っ直ぐに置けずやり直し、
慎重な人は、ゆっくりし過ぎて糊 が乾いてしまいやり直す。ペースは人さまざまですが、いずれにせよ、必ずできあがります。
生徒は、それが精神鍛錬になるといいますね。

表装には、いろいろな種類の和紙を使います。美濃紙、宇田紙、美栖紙、細川紙などで、それぞれの紙の特徴を生かした使い方をします。
こうした紙の需要が なくなれば、やがて消えてしまうもの。貴重な日本の文化を守るためには、使う人を育てることが大切だと実感してています。

生徒の中には、10数年通い大きな屏風までつくる人もいます。彼らが、日本の文化である表装を次世代に伝えていってくれたら嬉しいです。」

 

シンガポールで襖張替えに初挑戦 

表装教室の受講生だったK.Yさんががシンガポールに引っ越されました。
表装を学んで四年目で、掛軸のカリキュラムを数工程終了された所でした。その掛軸しか作成した事のないK.Yさんが
何と襖を張り替えることになってしまったのです。2002年11月の出来事です。

相談を受けた清水達也(おるく工房主宰-伝統工芸士)は、K.Yさんが一度日本に戻られたときに
襖のテキストと糊、表紙等を用意してお渡ししました。

後はメールでの指導になりました。どのような襖なのかを調べないと作業の進め方が分かりません。いくつかの調べ方をメールに記入して
返信して頂く。どのような構造なのかが解明したら、次は対処法をメールする。その繰り返しだったようです。

そして、襖はきちんと出来上がったのです。途中経過や仕上がりの写真もメールに添付して下さったそうです。
"デジカメを使用して途中経過を報告しながらメールで指導を受ける"という初の試みをK.Yさんが後日談として書いて下さいました。

襖張り替え初挑戦-K.Yさん記

【表紙剥がし】

教本を読んでいた段階では表紙は簡単にきれいに取り除けるものと思っていた。ところがこの作業、本当に大変だった。
表紙が赤い紙にベッタリ貼りついている 個所は無理に剥がそうとすると赤い紙まで剥がれ、はたまた木枠までが顔を覗かせてしまう。

カッターで少しずつ削ぐようにしたら、平らにはなってくるのだ が、部屋中モコモコしたおが屑の細かいようなものでいっぱい!
  もうご飯の仕度どころではない状態。

何もわからず、表紙の汚さに比べたらオレンジの紙はとてもきれいに見え、これは初めての張り替えに違いないと思い
写真を添付して先生にメール。指示を待っていたら、「3度目の張り替えのようです。」との返事。

落ち着いてみれば引き手には釘を抜いた痕があった。でも、どうして回り以外はぜんぜん張りついていなかったのでしょう。

オレンジの紙は袋張りですか? 今度張りかえる時に表紙を剥がしたら一緒に袋張りも剥がれてくるのでしょうか?
今回のように全部真っ赤な状態にして、同 じように袋貼り、表紙貼りをするのでしょうか? もう次のことが心配になったりして
今思い出すと本当にパニック状態だった。

「日本で作られた襖ですから安心して教本どおりに進めてください。」このひとことでやっと先に進む勇気が出た。

【袋張】

角をしっかり折ろうとひっぱったら紙がちぎれてびっくりした。

4面分、24枚を一遍に糊付けしたら、どんどん乾いてきて糊を付け足す始末。 仕様が無いのでクーラーを止めた。気温32度、湿度85%
心頭滅却すれば火もまた涼しくなかった。

【表紙の糊付】

仮張り板を作った時に先生が大胆にバサーっと糊をつけていたのが掛軸の時とずいぶん違うので妙に印象に残っていた。
それで格好をまねしてみた。でもやっぱり格好は格好だけで、"均等にすばやく"これが大変。

またクーラーを止めた。

糊盆は工房で使っていたプラスチック製のものと同じ形のホーロー製、てんぷらの油切りにつかっている物を代用したが
底が平らでない上、床が大理石では動 いてしまって誠に使いずらかった。

た、思っていた以上に糊が大量に必要で、2回目の張り替え時にはお風呂で使っていた洗面器を糊盆に使ってみた。
底にゴ ムが付いているので、糊を混ぜても動かず、また沢山糊が入るのでとても具合が良かった。 白っぽい大理石の床をきれいに拭き
そこに表紙を広げて糊付けしたのだが、付けているうちに動いてしまい表側に糊がつくは、床は汚れるは、で往生した。

折り曲げたところが剥がれてきた1回目の反省をもとに、まわりに付ける糊を少し濃くしてみた。
粉末に水を加えてお鍋で煮た糊は工房で使っていたものほど透 明にならず、少しボソボソした感じだった。

これも良くつかない原因の一つかと思い、よく練ってみようと頑張ったが、引越しの後遺症で左手が痛く糊盆を
しっ かり押さえることが出来ない。そこでミキサーでガラガラ回してみたら、透明で粘った感じになってきた。

後でわかった事だが、時間が経つと固まって、またボソボソになってしまう。効力は同じなのだろうか。 でも今度はうまくついた。

【表紙張り付け】

やっぱり一人ではなかなか張る勇気がなかった。 後がない、失敗は許されないと思うとどうしても主人の手を借りざるを得なかった。

撫で刷毛の威力を発見。まわりをしっかり折って指だけで押さえるより、撫で刷毛で撫でると不思議としっかりついた。
特に木ネジがある横の部分では威力を発揮。やっぱり道具。

【引き手取り付け】

最初の2枚は一番状態が良く釘も上手く打てた。ただ、同じところに何回も打っている訳だから
ゆるゆるで利いていない感じがして外れないか不安だった。

次の2枚は釘が打ち付けてある下の部分が壊れていた。割り箸を削ってボンドで張り付け
補強をしてから表紙を張って引き手を取り付けた。ボンドが取れて表紙を破って出てこないかドキドキだった。何とか凌いだ様子。

最後の押入れの2枚はもうぼろぼろだった。下も上もV字型に削り取られたように壊れていて、釘がぜんぜん利いていない状態。
一箇所は釘がなかった。仕様が 無いので引き手を横向きにして左右に釘を打ってしまった。指に気をつけるように言っておいた。

一枚は横も片方壊れていて一本の釘だけで止まっている状態、 なすすべもなく襖の開け閉めを厳重に指導しておいた。

押入れの2枚の引き手は強力ボンドで張りつけた跡が残っていた。今度張りかえる時には組子の直しかたを教えて頂かなくては。
それより新しいものが必要なくらいひどい状態のような気がする。

【搬入】

やっとのことで出来あがった最初の2枚、さてどうやって運ぼうか。きっとバンの車内は綺麗ではない。
それに白くてすぐに汚れが目立つ襖紙。作業の人に枠だ け手で持つように言っても到底無理。
そこで古くなった掛布団カバーをすっぽり被せて横に立てた状態で車に乗せ、宝物のように自分でしっかり押さえて搬入し た。

案の定カバーはあちらこちら黒く汚れていた。ひとまず無事に部屋まで運び、どきどきしながら襖をはめてみた。
動かすとキュルキュル音がする。枠の取り付け がまずかったのかと一瞬ド―っと汗が出た。蝋が足りないのかと思い
もう一度塗ってみた。少しましになった。もっと沢山塗ってみた。音がしなくなった。こ れで良かったのかな。

10日間かかって6枚、10面の襖張替えが完成しました。東京で先生に張り替えの概要を説明していただいた時
「度胸を決めてやるんだよ。」と言われたこ とが終始思い出され先に進む力になったと思います。

また、適切な指導があれば初めてでも何とか張替えが出来るんだという達成感を味わうことが出来
感謝の 一言につきます。ありがとうございました。

清水達也 記

刷毛と糊扱いができれば、何とか襖が張替えられることがはっきりしました。

基礎技術をしっかり学んでおけば他の ことに応用ができると実証されました。

双方ともに感激の出来事でした。K.Yさんは、その後"掛軸"もシンガポールの地で作成しております。
分からない箇 所や手に入りずらい表具材料の相談もメールで行っております。

日本の伝統技術が外国の地で役立ち、コミュニケーションを取る一端になれば嬉しい限りです。

K.Yさん、詳しい体験記をありがとうございました。材料のない厳しい環境の中でも伝統工芸に励まれるお姿に感動致しました。
またのご報告をお待ちしております。


 

 

「趣味ということ」!

表装教室の受講生のために発行されている、表導会の機関紙表灯 (編集:長谷部 雄三) は
主宰の清水達也による"染紙丸表具についての秘伝 17回連載"が終了し、第37号では"ワンポイントレッスンNo.3"を掲載中です

また受講生の体験談やエッセイ、講習会のお知らせ展覧会のご案内も 掲載され
全ての受講生に新しい技術・情報が正しく伝わるような配慮がされています。

表灯37号(平成16年9月発行)に投稿掲載された、受講生のお一人 根本樞氏の「趣味ということ」!をご紹介したいと思います。

「趣味ということ」!-根本 樞

以前、柄にもなく「掛軸」について講釈をしたことがある。私の母校である地方の高等学校の同窓会東京支部の幹事会で
その都度誰かが短時間の話をすることになって、順番が廻ってきた。

私の話のテーマは「定年後の趣味」とし、次のような構成で話をした。

(1) 皆さんはまだ若い人が多いが、サラリーマンであろうが自営業や主婦であっても、いずれ年をとる!
  私の先輩が言ったことに、定年後に趣味を持ちたいと思う なら、出来れば五年前から探すこと。

そして実際に少しでもやってみることが大切。ダメなら又探さなくてはならないからだ。
やりたいことが見つかったら、定 年前に具体的に始める。

そうすれば、定年になってから探すよりもユトリをもって始められるし、スンナリと続けられる。

私は定年の二年前頃に家内の着眼で、物は試し程度のつもりで「掛軸表装」の教室に入ったが
すっかりハマッテしまい、今日に至っている。!!

(2) ところで、皆さんや親御さんの家には掛軸があるでしょう。
しかしその種類や作り方についての知識は少ないと思うので、私の作品を例にして説明する。
(持参の作品を取り出して次々に壁に掛けた)

[作品例] 丸表具、色紙掛け、筋廻し、明朝、大和仕立て、ハガキ掛け、等

[各部の名称] 天地、中廻し、風帯、一文字、八宗、軸棒、その他

[制作の手順] 細かく言えば数十の工程があることの説明・・・

ところでこの幹部会のメンバーは、会の性質上60歳から20歳の学生まで、男女さまざまであったが
上記の(1)のテーマが年配者の共感をえたのは 当然として、(2)のテーマについては全員が興味を示した中で
以外であったのは、若い人達が強く反応したことで、いろいろな質問すら出された!!!

最近は、マンションその他、床の間はおろか日本間すら無い家庭も多いのだが
この日の反応は表装技術を学ぶものとして嬉しいことであった。

床の間がなくても、壁面や洋間にも似合うデザインや材料を使った作品が普及すれば
日本古来の表装技術の前途は新しい展開を見るのではないかと改めて考えた次第である。!!!!

 

日経新聞に掲載

2005年3月5日(土)の日経新聞の朝刊とともに届けられる生活情報週間紙 
「NIKKEIプラス1」 
「和に学ぼう-表装の技 書画を飾る」という記事が掲載されました。和道啓発というコーナーです。
全国の表装教室の中で私共の表導会表装教室の一つ 青山教室 が、教室風景のカラー写真入りで大きく取り上げられました。

昔ながらのしょうふ糊を使用していると言うことで受講生のコメントなども紹介され、
主宰の清水達也の、

「あくまで作品が主役。作品にあったものを作ること。まわりが目立ちすぎてバランスを欠いてしまわないように・・・」

「伝統技術を残すためにお教室を開催・・・」

「作品を作ることで、本物を見る目を養うことも目的の一つ」

というコメントもご紹介頂きました。
掲載記事の簡単な内容だけしかご紹介できませんので、詳しくは「NIKKEIプラス1」をご覧下さい。

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